僕のところまで

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構図を考えたりする時に、 いつも運動場を眺めていた。 茜色の夕日を浴びながら走る、 運動部員を眺めていた。 四階からだから、 見える人は少し小さく、 辛うじて知り合いを見つけられる程度。 知り合い以外は、 体操服を着たその他大勢ってとこかな。 なのに、 いつの頃からか、 キャンパス越しに、 運動場に居るあの人を眺めていた。 名前も知らないあの人を眺めていた。 それが木曜日の僕。
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