第1章

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アンケート用紙を戻して一週間後、吹奏楽部の練習も終わりガタガタとみんなが片付けを始める。 音楽室の鍵の開け閉めは部長か副部長の仕事。 今日は部長である友達が体調不良で部活を休んだので、副部長である私が戸締まりチェックをして鍵を閉めなければならない。 ほとんどの人たちが準備室に移動して楽器を片付けている最中、私は音楽室の窓やドアの内鍵を一ヶ所ずつ確認してまわっていた。 ふと後ろに人の気配を感じ、振り返ると例の彼がいた。 ちょっとうつむき加減で。 でもチラチラと上目遣いで。 「先輩、あの……」 「ん?どした?」 何かあったのかと首を傾げて彼を見ていると、 「……俺と付き合ってくださいっ!」 「………え?」 何を言われたのかと何度も瞬きを繰り返しながら彼を見詰め返した。 彼は……赤くなってる彼の顔は返事を待ってる……! ドキドキがどんどん伝わってくる。 は?どういうこと? 瞬きを繰り返したあと、短く深呼吸して理解出来ないまま問い掛けた。 「本気?」 「はい。」 「…ワタシ?!」 「はい!…ダメですか?」
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