第2章

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翌日、いつ会っても渡せるようにと移動教室の時にも持ち歩き、休み時間には廊下を通らないかと気にしていたがそんなタイミングは訪れない。 これは部活の時に渡すしかないかな?と思っていたが、彼は自分の部活のミーティングがあるようで吹奏楽部には来ていなかった。 交換日記初日そうそう渡せず帰るのか…と残念な気持ちを隠せずにいた。 部活を終えて帰ろうと下駄箱まで三年の部員たちで降りてきた。 すでに外は真っ暗。 暗くなるのが早くなったし、だいぶ寒くなってきたな…。 なんて考えながらみんなで騒ぎつつ靴を履き替えていた時、視界に動くものが。 外から誰かが覗いているような…。 「センパイ…」 ドキッっとして振り向くと彼がこっそり?立っていた。 生徒玄関入口の扉に隠れて小声で話し掛けたつもりなのだろうが、身長もそこそこ高いから全然隠れてないし、しっかりみんなに声も聞かれて気付かれてるよ。 ああ、もうこうなったら仕方ない! 慌てて彼に駆け寄りそのまま玄関そばにある花壇脇まで二人で移動する。
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