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「誰も戻って来ないな。」
修二の呟きでみんなの存在を思い出し、「あ!」っと我に返ると、
「もしかして、みんな気を遣ってたりして…まさか見られたかな…。」
なんて言うもんだから、急に落ち着かなくなった。
「俺は別に見られても構わないけどな。」
なんて修二は笑いながら言うけど、そんなの恥ずかしくてもうみんなに合わせる顔がない!
修二はクスクス笑いながら私の頬を指で撫でて
「唯、真っ赤で可愛い~。」
ギャー!言わないでー!
「っ~~」
声にならない声を出して両手で顔を隠した。
そんな私の耳に触れながらまたクスクス笑う修二。
言わなくてもわかる。
耳も真っ赤なんでしょ!
手で顔を覆いながら
「もう何も言わなくてもいいよっ。」
クスクス笑いながら、顔を隠す私の手を外し覗き込んできて、
優しい目で見詰めてくれた。
修二の笑顔は私を幸せな気分にさせる。
修二の笑顔を見てると私も笑顔になれる。
「唯の笑った顔、大好き。ずっと笑ってて。」
同じ気持ちでいられるこの時間が凄く特別で。
ずっと修二のそばにいたいと思った。
そのままみんなはこっちの部屋に戻ってくることはなかった。
修二に肩を抱かれながらいろいろ話していたが、遅くなるからそろそろ帰ると言った私を送ってくれると言って一緒に部屋を出て、リビングにいるであろうみんなの所に行くと、ニヤニヤ見てくるみんなの顔。
あ、見られたんだ…また顔に熱が集まってきた。
「帰んの?気をつけてな~。」
みんなのニヤニヤが消えることはなかった。
恥ずかしいけど嬉しくて幸せで、ふわふわしたまま途中まで修二に送ってもらって帰ってきた。
翌日も学校で昨日の事情を知ってるメンバーにはニヤニヤされたが、その都度修二に守られて幸せな時間は過ぎていった。
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