第1章

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15歳 中学三年 私は夏前に、一年半の片想いにピリオドを打った。 1つ年上の先輩への淡い恋心。 別に見ていただけじゃなかった。 周りからは付き合っていると思われる程仲が良かったのだが実際は単なる片想いで終わったのである…。 私は吹奏楽部に所属していた。 北校舎三階にある第二音楽室が吹奏楽部の練習場所。 この吹奏楽部には変なしきたり?があった。 入学式・体育祭・卒業式・そして秋の芸術コンクールと毎年、それなりに出番があるのに正部員は10人程度で、演奏するには圧倒的に人が足りなすぎる。 そこで小学校時代に経験のある人に顧問の先生や部長が声を掛け、助っ人として40人弱の人たちには兼部してもらうのだ。 普段は各自の都合があるので自由参加になっているが、本番が近くなって来るとみんな進んで練習に出てきてくれる。 助っ人の人たちは自分の部活終了後に駆けつけてくる為、テニスウェアやバスケ部のジャージ、野球部のユニフォーム等のままそれぞれの楽器を手にするのでかなり不思議な光景だ。 たまたまだとは思うが、生徒会役員や各運動部のエース級の人たちが多く集まってきていて、この人たちが実は校内でモテランキングに名を連ねるような方たちの為、校内の女子たちからはいつも羨ましがられていた。 みんなが近付きたいと思っている人たちと同じ空間で過ごせるどころか自然と仲良くなってしまうのだからそう思われても仕方がない。 私はそういう美味しい立場にいたのだ。
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