第1章

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そしてその助っ人の中に私が片想いしていた人もいた。 その先輩にはとても可愛がられて堂々と下の名前で呼ばれていたし、誕生日やX'masにプレゼントした物も周りに冷やかされながらもちゃんと使ってくれていて、誰が見ても二人の間には付き合っている雰囲気が流れていると有名だった。 そういう状況を知っていても先輩に告白する女の子は絶えなかったが、先輩はいつも断っていた。 だから余計に先輩と私が付き合ってるという噂は消えなかったのだ。 そんな毎日を送る私は少し、いや、かなり期待していた。いつか先輩の彼女になれるんじゃないかって。 しかし… 「俺が高校に行ったら離ればなれになるし…何にもしてあげられないから…」 先輩が卒業する前にそう言われた。そんなことを言われたらもう諦めるしかなかった。 きっと妹ぐらいにしか思われてなかったのだと納得するしかなかった。 他の女の子たちよりも想い出が多かった分、諦めるのに時間がかかった。 会えなくなり、連絡することもなくなり、思い出しても胸の痛みがなくなるまでそれなりに時間が必要だった。 でもこれが先輩の本音ではないとずっと後になって知る。 もうとっくにいい想い出として心の奥底に仕舞っていた高校二年になって初めて知った。 「ほんとは唯が無事に受験終わってからちゃんと付き合いたいって話そうとしてたらしいよ?」 友達からそう聞かされて多少なりとも動揺した。 は?遅いよ!先輩!! そう思ってたならちゃんと言ってよ! 先輩とは違う高校だったがお互いの学校がすぐ近くだったのでたまに登校時に会ったりして挨拶はしていた。 でもあの頃の気持ちは、もうない。 結末はちょっぴり苦かったけどいい想い出をもらえた。 先輩!少しでも特別に思っててくれてありがとう。
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