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中学三年のスタートはその片想いにケリをつけるという大きなものから始まった為、全然恋愛に関心がなく、このまま部活引退までやりきって気乗りしない受験に突入するのだと思っていた。
しかし、予期せぬことは起こるものだ。
ようやく先輩への気持ちが落ち着いた頃、私は突然封筒を渡された。
「先輩!あの…これ、書いてくださいっ!」
「へ?…は?!」
部活が終わり、準備室で楽器を片付けている時だった。
いきなり声をかけられ、ポケッと振り返り見上げた先に彼が立っていた。
顔を赤らめて。
当時は好きな人の情報を得る手段として、アンケート用紙を作って書いてもらうということがあった。
生年月日、血液型、好きな色・食べ物・よく見るテレビ…内容は様々。
そして渡された人はアンケート用紙に記入して差出人に戻す。
知りたかった好きな人の情報が直筆でもらえるという、宝物をもらった気分になれるのだ。
いつ誰が始めたのかわからないが、私が中学生になった時にはもうすでにあったシステム。
そのアンケート用紙を渡されたのだ。
それも吹奏楽部助っ人メンバーの一年生に!
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