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「そっか、そうだよね、ごめん。今度は違う方法で気づいて貰えるようにするから」
「…お、う」
素直だし、良い奴だから逆に強く言いづらい。
「…じゃあ、」
「うん、またね、弘樹くん」
変わらない、笑顔で。こっちへと手を振る、爽やか好青年。朝の光が反射して見える、目の前の相手はもう何というか少女漫画で女子がときめくような一場面のようで。イケメンは周りの風景さえも味方にするのかと、相手を見たまま思わず立ち止まる。
絵画、…みてぇな感じか?
「…? どうかした?」
そんな俺の気も知らず、こっちを見たまま少し困っているかのような、嬉しそうな表情で若干赤くなる相手をしばし眺めて。
「…ん?…いや、カッコいい奴は何してもカッコいいんだなと思っただけ」
「へ?…ぇえ…っ!?」
只、ふと思った事を呟いただけなのだが、目の前の相手はというと目を白黒させるなりみるみる顔を赤くさせて。
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