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あー、ダリぃー…
普段通りの通学路をやる気もなしに学校へと向かう、月曜日。
少しでもやる気が出るようにと、唯一の救いはイヤホンから流れ続ける音楽。
音楽を聴くためだけにいつもよりちょっと早く起きたわけで。
--…あ、この曲好きなや゛っ!?
突然耳のイヤホンを思い切り引っ張られる感覚に、右耳へと流れていた音楽が遮断される。
「いっ…!!」
…ってぇなオイ!
どうやら非情にもどこぞの誰かに引っこ抜かれたらしい。
「なにっ…!!!」
いきなり人の楽しみを邪魔しやがったKY鬼畜野郎を何事や(# ゜Д゜)ゴルァ!!!
ってな具合に振り返り、
「いきなり何しやがんだこのk…「好きです付き合ってください!!」
俺が浴びせようとした罵声はかぶせられた言葉に掻き消える。
「…は?」
一瞬固まる俺に対して、
右耳のイヤホンを手に持ったまま、人懐っこい笑顔を浮かべる青年。
…え? いや、ちょっと待て。
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