3.帰り道。

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「じゃーなー弘樹。今日のアニメ忘れんなよー」 「おー、ってあったりめーだろ、誰が忘れっか」 どんな深夜になろーと、睡眠時間が削られようと、好きなモン優先させんのが俺の生き方だ! 手を振って圭太と別れると、いつものように音楽プレーヤーを起動。俺の楽しい現実逃避タイム。朝の分はここで挽回だってばよ。 帰り道という事もあり、朝の登校時よりは気分もいい。やっぱり行きより帰りだろ。そう思いながら駅へと向かう。 …ったく、数学の公式だの意味不な昔の古文だの。そんな色の無いモノよりも色鮮やかな現代芸術を愛でようぜ。漫画専攻とかアニメ専攻とかしてぇぇ… まぁ、断然描くより見る派だが。 つーか高校の勉強ってどこまで必要なの。 ♪サイン コサイン タンジェント~ とか将来使う事なくね?生きてく上で必要な知識なのアレ。呪文じゃん。何も生み出さない言語より、魔法の詠唱法とか幻獣の召喚法とか知りてぇわ。 あーあ、特異な能力持ったラノベの主人公とかやってみてー… なんて、 『素晴らしいー事♪ 言うねー♪』 タイミングよくエネちゃんの声が聞こえたり。 だろ?俺もそう思うわ。俺の音楽プレーヤーはよく分かってる…! SPECこいSPEC!!目覚めろ、何か使えそーなやつ! そんな脳内実況を流しながらいつものように駅へと着くと、タイミングよく来た電車へと乗り込んだ。
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