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運転席に回って、車に乗り込んできても、まだ顔がニヤけている夏樹に、 「今日は助かったわ」 あずきはつっけんどんに、今夜のミッション終了の礼を言う。 すると夏樹は、 「なんだよ、その『もう終わり』みたいなフレーズ」 意外そうに言う。 あずきは小さく息を吐きながら、 「はいはい。そうね。夏樹にしたらお仕事だから、これで終わりってわけにはいかわないわよね」 肩をすくめる。 割とよく見る、普通のSUV車で迎えに来てくれたけれど、実は夏樹はホストだ。 呼び込みに誘われるまま飛び込んだホストクラブで知り合った。 「これって同伴って言うんでしょ。で私は、ご飯をごちそうして、それからお店にいけばいいの?  言っとくけど私の給料なんてたかがしれてるんだから、あんまり高いところは無理だからね」
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