第2章

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生贄ヲ選ビシハ神ナリ 巻物に記されている通り、神が選ぶのである。 駒にする事で生け贄の資格を見極める…。1年生にとっては過酷な1日となる。 神殿の入口に着く。 「神野です。」 人差し指を黄金の台座に乗せるとチクッと皮膚を突く。新鮮な血液が台座の下にポタッと一滴落ちると大きな黄金の扉がギィィと開く。 中に入ると祭壇まで進む。かなり距離があるが走ってはならない。神殿の中を走ると叱られる。いやいや、当然の事だとわかってはいるのだが広すぎるんだ。 「待っていたぞ。どうだ?」 神様のからの有り難いお言葉。 「はい。滞りなく。」 「うむ。お前の事だ、心配はしておらん。」 「ありがとうございます。校長がよろしく申しておりました。」 「あれも、変わらずじゃな。ふふふ。 神野、お前も当日はここに顔を出すがいい。八百万の神々がお前に会いたいそうだ。」 「はい。ありがとうございます。」 「これを持て。」 巻物を貰う。 「はい。では、この中からから2つでよろしいですか?」 「選択はお前に任せる。楽しみじゃの。」 「承知しました。…あまり趣味がよろしくないですね。」 「ふん。お前に言われたくないわ。まあ、良い。少しばかりいいじゃろう。」 どちらにしようかな天の神様の言う通り、とは、よく言ったもので、まさに、神様の言う通りなのである。
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