第1章

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濃い緑の山が錦の衣を纏い、冷んやりした風と戯れる色とりどりの葉っぱがハラハラと地面に舞い落ちる。 太陽の光と澄んだ空気が中庭のベンチで会話する生徒達の頬に優しく触れる。この心地よさとは裏腹に、毎年この季節になると行われる…学校行事。 1年生のみが参加する過酷な行事。 2、3年生は1年の時に体験済みだから、内容は漏らしてはいけない決まりになっている。 そして、この秋の学校行事が終わると入学時よりも生徒の数が減っている…。 今年は何人減るのか…賭けが行われる程の恒例行事。賭博…仕切っているのは…もちろん校長だ。 表は礼儀正しく優秀な生徒、誰もが憧れる偏差値の高い学校。裏では賭博が行われ、元締めが校長という外道っぷり。生徒が外道…先生も外道…なぜなら…ここは外道精神保持者のみ生き残れる場所だから。ここにいる全員みんな、まさかの外道。 世間の評判はピカイチ!誰もが憧れる学校は…実は外道集団などと誰が思うだろう。 入学時に個人面談があり、その時に《全ては自己責任》という誓約書にサインさせられる。…いや、自分の意思でサインする。 この時、既に外道まっしぐらのレールに乗っている事に気付かず、秋の行事が終わる頃には立派な外道の出来上がりだ。
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