第1章

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ふっ、強張ってる強張ってる。1年生諸君よ、その顔面なかなかの反応だ。 「さあ、最も重要な説明をするよ。さっき重要なので3回言った部分のところ。 生け贄を捧げる…意味は理解出来るよね。この中の誰かが生け贄になるという事だ。現段階では、1組~7組まで総勢308人が全員生け贄候補だ。」 ざわざわと動揺が波打つ。実に分かりやすい。 「コホンっ。ちょっと動揺してる?今の君達は謂わばまな板の上の鯉だ。」 静まり返る体育館。そう。逃れる事など許されない。 「君達は先ず、このような行事が何故行われるのか、何故この学校なのか、何故自分たちが対象なのか、理解しなければならない。 何故か? それは… それは、君達が選ばれし人間だからだ。」 おお!やっぱり1年生は単純だ。いや、もとい…ピュアだ。《選ばれし人間》マジックにさっきまでの不安に揺れてた瞳が一瞬にして輝きを持つ。 よし!もう一度、言っておこう! 「君達は選ばれし人間なのだよ。」 壇上から見渡すその光景は何とも可笑しく、興味深く、2年後、この中の誰かが生徒会長になり同じ事を言うのかと思うと、受け継がれる伝統とは凄いものだと改めて実感する。 さてと、先輩方の教えを伝授するとしよう。
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