第二章

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ー…なんで。 なんで、秋という季節は僕をこんなふうにするんだろう? だから秋は嫌いだ。 ー…だから秋なんてー… 「……っ!」 曲の最後。 ゆっくりと鍵盤に指を添える。 軽やかに音が流れ終わった瞬間、体が後ろに傾き、そのまま床に落ちていった。 「うわっ…!」 ガタン、と大きな音を立てて鳴る椅子。 床に倒れ込み、ぐっと天井に手を伸ばす。 学校行事なんて嫌いだ。 何で特に仲も良くない人たちと“一致団結”なんてしなくちゃいけないんだ。 嫌だ、面倒くさい。 …なにより。 それをほんの少しでも楽しいと思ってしまう、自分が嫌で嫌で仕方が無いー…
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