第二章

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「…ごめんなさいっ!振り分けられた曲がすごく難しくて…全然弾けなくて…」 彼女曰く、クラスで一人の参加者がくじを引き、それぞれ弾く曲を決めたのだが。 彼女は運悪く、どのクラスよりも難しい 『F.ショパン エチュード Op.25-7』 を引き当てたらしい。 で、そこで代わりに選ばれたのが… 「それ、僕弾けるよ」 ー…思わずそう漏らしてしまった僕だったのだ。 これに関しては確かに自業自得な気もしないことはないが、でも押し付けることないと思う。 まぁ結局、僕は音楽室に誘拐するかのように連れてこられた訳だが。 「…弾けることには弾けるけど…弾けるだけだぞ…?」 というか僕がピアノを弾けてしまうのも、 『秋って名前の人ってピアノできそうじゃない?』 とピアノを習わせた母のせいだ。
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