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「あさってさー。ハロウィンイベあんじゃん。駅前、ホコ天にして」
「……うん」
バイト先の休憩室。
帰る準備をしながら、同回生の薫が言う。
「あんたジャックやって」
「は?」
「版権モノじゃないカボチャのあれ」
「なんで?」
「いいじゃん。ハロウィンは多い方が楽しいもん。家近いし、衣装あるからさ。他もいろいろ誘ってるし来てよ」
あさって5時集合ねー、と、鞄をもって出ていった。
見送ってから、自分もバッグをかけて立つ。
……知ってる。
集合場所が薫のアパートなことも。
大学で色々誘ってたのも、先輩に衣装借りてまわってたのも。
薫が好きになってる人も、一緒に誘ってることも。
またか。
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