『僕は君のもの』という台詞を使った「楽しい場面」

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 夢ちゃん。  大好きな僕の、大切な幼馴染。  小さい頃からずっと、一緒だった。 「叶太くん」  保育園から小学校、中学校。  夢ちゃんはずっとその頂点にいた。    成績もスポーツも、先生からの信頼も厚くて生徒からも慕われて、女子生徒で初めての生徒会長にもなった。  そんな夢ちゃんと幼馴染の僕は、成績は平凡(むしろ後ろから数えた方が早い)、運動は苦手。友達は少ないし、先生からの覚えは悪い。  つまりは、正反対の人種だ。  だけど、夢ちゃんはそんなこと全然気にもせず、僕に構ってくれていた。  クラスは別で、部活は違うから家が隣同士という接点しかないのに。  むしろ、陸上部で華々しく活躍する夢ちゃんに対し、僕は帰宅部。  よく帰宅途中にグラウンドを綺麗なフォームで駆ける夢ちゃんを目にしていた。 「叶太くんってば」 「!」  はっと顔を上げれば、夕陽で頬を赤く染めた夢ちゃんが目の前に立っていた。  部活後なのか、体操服を着て少し汗の滲んだ額をスポーツタオルで拭っている。  大きな目がさらに大きく見開かれ、驚きと戸惑いの表情を浮かべている夢ちゃんはことんと首を傾けている。 「どうしたの?」 「えっ?」 「だって、もうすぐ学校しまっちゃうよ? 部活生も皆帰り始めてるし……」  えっ、えっと何度も辺りを見渡して、やっと気付く。  必要のない電気を全て消された校内はとても暗くて、しんと静まり返っている。  いつもの喧騒はどこに行ってしまったのだろう、と思わずぞくりとしてしまうほどに。 「夢ちゃんは?」 「忘れ物」  僕が座っている席を通り過ぎ、黒板に向かった夢ちゃんは何故かチョークを取り出し振り返った。 .
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