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"席についたら教科書を準備。そのまま始業まで読書"
「クラスメートと喋ったりしないのか?」
渡部とは余りにかけ離れた生活だ。
"ああ、必要以上に話さない事でクールな生徒会長を演じている"
「なるほどね」
仕方なく渡部は上原の本を開いた。
(文学か…苦手なんだよな…あれ?)
「面白い…?スラスラ読める。俺文学苦手なのに」
"当然だろ。今君は僕なんだから。僕は文学好きだからね"
「なるほどね。俺はなんの苦労もなしにこのハイスペックな人生が手に入るわけだ」
"そういう事"
「ふーん。それを捨ててまで俺と変わりたいなんて物好きだな」
その後も、さっぱりわからなかった英語も驚く位に理解できた。
「すげー。めちゃくちゃ授業が分かる。てか、勉強って分かるとすげー面白いのな」
"ふーん。僕にはよくわからない感覚だ"
興奮気味の渡部に対し上原はシラケた顔だった。
「あんだよ?お前ないのか?やった、わかった!見たいなやつ」
"ないな。僕は成績トップクラスって決まってるから、わからない問題はないな"
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