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「かー、嫌味なこって」
"別に僕が決めた訳じゃないけど"
ー放課後ー
"生徒会室へ行くぞ"
「へーい」
渡部は教室を出ようと扉に手をかけた。
「あ、あの!」
背後から気弱そうな声。渡部は振り向いた。
「こ、これ!受け取って下さい!」
(ラ…ラブレター?!すげー)
"おい!たじろぐな!彼女は山内理沙。父親は商社マン母親はピアニストで忙しく世界を飛び交っている。正真正銘のお嬢様だ"
「そ…そんなすごい人のラブレター、どうすりゃいいんだよ?」
"ニッコリ笑って、ありがとう理沙嬉しいよ。"
「あ、ありがとう理沙う、嬉しいよ」
渡部がぎこちなく微笑みながらそう言うと、山内は顔を真っ赤にして一礼をしかけていった。
「すげー可愛い子だな。やっぱりすげーな、カリスマ生徒会長」
"彼女は山内理沙。少々内気な子だ"
「へー、付き合うのか?」
"いや、彼女とは付き合わない事が決まっている。明後日多忙を理由に断るんだ"
上原の答えに、ここが小説の世界だと言うことを思い出していた。
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