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「な!ば!付き合ってねーし!あいつは只の幼馴染みで」
渡部は真っ赤になって必死に否定した。
「あっはは。ごめんごめん。冗談だよ。さあ、続けて。仲のいい友達は?」
「小島健かな。あいつとは昨日みたテレビの話とかで盛り上がっていたりするし」
渡部は日常を思い出していた。
「えーっと、後成績は中の下ってとこかな。勉強苦手だし。あ、でも体育は5だな」
「なるほどね~運動が得意な訳だ」
「そ、あんたと違って得意は体育だけって訳さ」
渡部は自嘲気味にそう言った。
「そいつは楽しそうだな。知らない事ばかりって訳だ」
嬉しそうに上原は言う。
「変わってんな。楽しい訳ねーよ。志望校軒並みD判定で大学進学絶望的だし、かといってやりたい仕事もねーし」
うんざりと言う顔で渡部が言うと被せるように上原が言葉を続ける。
「勉強全然わからないって事は知らない事が多いって事。つまり知る楽しみが山のようにあるって事じゃないか」
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