0人が本棚に入れています
本棚に追加
第3章 渡部亮の日常
「へー、ここが君の学校か」
上原は楽しそうにあちこち眺めていた。
"そんな珍しいかよ。お前の学校に比べたらしょぼいボロ学校だろ"
「僕らは他の学校を見ることはないからね。君にとっては見慣れていても僕には魅力しかないよ」
狙われた学園の生徒会長として産み出された彼は、今の学園に受験を勝ち抜いて入った訳ではない。だから、あちこち学校をみて回った経験は皆無だった。
「そんな事より教室行こうぜ!」
上原は駆け出した。
ー教室ー
「おー渡部お前休み時間になると同時に飛び出してどこ行ってたんだよ」
"こいつがさっき話していた小島だよ"
「おー、わりぃわりぃ。なんか突然走りたくなってよ。飛び出せ!青春、みたいな?」
"おい…お前のイメージの俺はそんな馬鹿かよ"
若干の怒りを感じて渡部は言った。
「あっはは、悪い悪い。自分て"好きに話せるのが楽しくってさ」
そう言う渡部は、心底楽しそうに見えた。
最初のコメントを投稿しよう!