第3章 渡部亮の日常

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第3章 渡部亮の日常

「へー、ここが君の学校か」 上原は楽しそうにあちこち眺めていた。 "そんな珍しいかよ。お前の学校に比べたらしょぼいボロ学校だろ" 「僕らは他の学校を見ることはないからね。君にとっては見慣れていても僕には魅力しかないよ」 狙われた学園の生徒会長として産み出された彼は、今の学園に受験を勝ち抜いて入った訳ではない。だから、あちこち学校をみて回った経験は皆無だった。 「そんな事より教室行こうぜ!」 上原は駆け出した。 ー教室ー 「おー渡部お前休み時間になると同時に飛び出してどこ行ってたんだよ」 "こいつがさっき話していた小島だよ" 「おー、わりぃわりぃ。なんか突然走りたくなってよ。飛び出せ!青春、みたいな?」 "おい…お前のイメージの俺はそんな馬鹿かよ" 若干の怒りを感じて渡部は言った。 「あっはは、悪い悪い。自分て"好きに話せるのが楽しくってさ」 そう言う渡部は、心底楽しそうに見えた。
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