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「まだ、イマイチよくわかんねーけど、要するに俺はお前に成れるって訳だな。カリスマ生徒会長に」 「ほぅ、まずまずの理解力ではないか」 「とりあえずそれはわかった。じゃあ次!ページの間ってなんだ。」 渡部が疑問を口にした。 「先程も言ったが、俺は小説の世界の人間。貴様らが小説を読むとき、ページを読み終わるどうする?」 「あぁ?んなもん次のページをめくるに決まってんだろ」 上原の人を見下すような口調に若干イライラしながら、渡部は答えた。 「そう、その瞬間それこそが俺たち小説の人間が読者の目から解放され、それぞれが与えられた役を解くことが出来る、すなわち素に戻れる瞬間というわけだ」 正直現実離れしすぎた話だったが、渡部は何とか噛み締める事にした。 「あ~わっけわかんねーけど、つまりお前らは俺らが読んでいる間、小説で与えられた役柄を演じていると言うことか。ページの間ってのは要するに役者が舞台袖にはけた時って訳だ」
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