頭の片隅に残る…

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―2004年。アメリカ合衆国、マサチューセッツ州。 青白い光だけがわずかに周囲を照らしている部屋に一人の少年がいた。その静謐な空間で少年はクアッドディスプレイから視線を逸らさず、堅い表情のまま一心不乱にキーボードを叩き続ける。 どれだけの時間が過ぎたのだろうか。ふと、少年の手が止まる。メインディスプレイには『Conpleted』の文字が点滅を繰り返している。 「出来た!完成した!」 少年の顔は花が咲いたように綻び、部屋がわずかに弛緩したようだった。少年は側に置いてあったベッドセットを装着し、マイクに向かって話した。 「System start!」 独特の起動音が備え付けられたスピーカーから響く。少年はさらに話し続ける。 「Hallo?…Ummm,There are noproblem in particular!」 システム起動に問題なしと判断した少年の顔はさらに明るくなっていく。その時少年に話しかける声が聞こえた。 「My name? Oh,I didn't tell yet.I'm Kotaro.And your name is…」
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