第1章

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「ハーイ位置について!用意ドン!!」 徒競争、騎馬戦、球入れ、借り物競走 もうさすがに疲れた・・何度やったのだろう・・・ 徒競争のミッションは、1位を取ること。 2位以下だと、また朝からやり直しになってしまう。 騎馬戦では、白組のハチマキを3つ取るのがミッションらしい。 試しに4つ以上取ったが、朝に戻ってしまった。 3つでなければならない理由は何故か不明だがそれ以上でも、 それ以下でもミッションはクリアされないらしい。 現在、だいたい20回目くらいの球入れをしているが、 このミッションのクリア条件がまるでわからない。 0~15個の球を入れたが、朝に戻ってしまった。 そしてまた徒競争から入り騎馬戦を終え、球入れを行う。 どうすれば球入れのミッションが成功するのか考えていると、 後ろから声がした。 「もう!鈍いな!相手の白組に球を入れるんだよ!」 「えっ!?」振り返ると、同じクラスの坂本圭吾がいた。 今まで何度も繰り返した体育祭に、坂本と話した記憶はない。 毎回、同じように繰り返すはずなのに・・・ 考えていると球入れの時間になってしまったので、坂本の言う通り 赤色の球を少し遠くにある白の球がたくさん入ったカゴに、 あたかも間違えて入れたかのような演技をして入れた。 坂本の言う通り、球入れが終わっても朝が来ない。 どうやらミッションは成功したらしい。 球を全て数え終え、昼休みに入るとすぐ坂本に話しかけた。 「もしかして、お前が今日をずっと繰り返している張本人なのか?」 坂本は答えた。 「それは、俺じゃない。  ていうか俺もおまえと同じで、今日を繰り返してるんだ。」 「そうなのか!?でもどうして、今になって俺に話しかけてきた?  もっと早く教えてくれればよかったのに。  それに球入れのミッションの内容がどうして分かるんだ?」 「それは、お前に聞いたんだよ。」 「はっ!?どういうことだよ。」 坂本は、どういえば理解してくれるか悩みながら簡潔にまとめた 「今日を40回繰り返したお前に聞いたんだ。  球入れのミッションのことを・・・」 「ん?意味が分からないんだけど?」 「いきなりそんなこと言っても通じないよな。  まぁ俺らがどんな事態に陥っているのか、俺が知っている限り教えるよ。」 坂本は、とりあえず昼飯を食べたいらしいので、一緒に屋上へ行った。
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