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「ねぇ、ユウキ?」
「リコは、青木のこと、好きなの?」
リコは黙る。黙ってしまう。
どうして、何も言ってくれないんだろう。
「わかんない」
リコはそう言うと、僕の胸を軽く叩いた。
「わかんないから。どうしようって、相談してるんだよ」
「リコにわからないことは、僕にだってわからないよ。リコの問題だし」
リコは泣きそうな顔になって、それから言った。
「じゅあ、聞くけど、私が、青木君と付き合っても、ユウキは良いの?」
今度は僕が黙る番だった。
正直、リコが青木の恋人になるのはとても嫌だ。
でも、僕に、それを言う権利があるのだろうか。
リコの恋愛事情に、口を出す権利が本当にあるのだろうか。
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