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沈黙は続いた。
その間も、僕の心の迷いはぐるぐると、ぐるぐると回っている。
「どうして、何も言わないの?」
沈黙を破ったのはリコだった。
「わからない」
僕は言った。
「わからないんだ。僕が、リコに何かを言う権利があるのか」
「言って欲しいから、聞いてるんじゃん」
リコはいつの間にか涙を流していた。
「もういい。もういいよ。ユウキにとって、私って、そんな存在なんだ。もういい」
リコは立ち上がると、僕の部屋から出て行った。
僕は、リコを引き止めることが出来ない。
そのまま、ずっと、僕は同じ姿勢のままで、悩み続けていた。
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