無題

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 でも、全ては遅かった。  リコが来なかったのは、僕よりも早く学校に向かったからで。  青木から教えられてたアドレスで連絡を取り合い。  僕が学校に着いた頃には、リコと青木はもう、恋人同士になっていた。 「なんだよ。ユウキ。リコちゃん、お前と付き合ってると思ってたよ」  クラスで、僕と仲の良い友達が声をかけてくる。 「いや、ただの幼馴染だったんだよ」 「あ、ごめん」  僕の声が、よっぽど酷い状態だったのだろうか。  友達は謝って、それ以上話しかけてくることはなかった。  僕は、愕然と授業を受ける。  青木が。  カッコいいあの男が、僕の視界に入る度に、僕はとてつもない嫉妬に襲われていた。
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