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残された俺とゴッデス山岡さんは、飲みかけのビールをちびちびと飲んでいた。
「なんか……凄い人でしたね」
「あ、ゴッデスさんもそう思いました?なんだか、あの人と意見が合わなくて……」
俺達とは正反対の人だっただけに、どう反論して良いかもわからなかった。
ああいうタイプは、絶対に起こって反論して来るから。
そして、あれだけ俺達は書籍化出来ないと言われていたけど、実は昨日、運営から書籍化の連絡があったんだよね。
「ゴッデスさん、実は俺、書籍化の話があるんですよ」
自慢になるような気がして、気を悪くするかなと思って言えなかったけど、ゴッデスさんはパァッと明るい表情になって俺の肩を叩いたのだ。
「一郎さんもですか!?いやあ、俺も先月書籍化の話があって、でもまだ本になってないから言おうか言うまいか……でも、一郎さんも書籍化が決まったなら良かったです!」
……という事は、この場で書籍化されていないのは、下衆太郎さんだけだったというわけだ。
「……書籍化されてない人に、プロとか言われてたんですね」
「思えば、めっちゃイタイ人でしたね」
この日俺は、ゴッデス山岡さんという友を得た。
そしてゴッデス山岡さんと俺の本が出版されると同時に下衆太郎さんはサイトから姿を消し、二度と俺達の前に姿を現さなかった。
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