インディペンデンス・デイ

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「ホントか? 結論付けるには早くないか?」 僕は、桔平に勝てるはずのない論争を挑んだ。 「ああ。確かに、結論付けることはできない。ツイッチャンネルのサーバー不具合や周囲に人がいない、あのマンションのインターホンを鳴らしたタイミングで都合悪く、その部屋の住人がいなかった。これらのことが重なれば、ありえなくはない話なのだが、もはやそれらが重なるほうが奇跡的な気もするよ」 今僕たちはどちらにしても、奇跡的な事象の連鎖に巻き込まれているのかと思い知らされた。 瑠衣は思わず、泣き出してしまった。 涼果は瑠衣の背中を擦るようにして、横に座った。 「和哉!アンタのせいだからね。アンタがあんな事言うから!」 涼果は、何の根拠もない情報で、和哉を捲し立てた。 「え!? 俺!? 俺のせい!?」 和哉は慌てるように言った。 それは言いすぎだぞ、涼果 と言いたげな表情で僕と桔平は涼果を見た。
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