インディペンデンス・デイ

29/33
前へ
/216ページ
次へ
しかし、その横で泣く瑠衣を見ると、そうも言えない状況であった。 「で、でもさ! ほら、もしこの世界に俺らしかいないってのがホントならさ! もう、この世界は俺たちのものだぜ! もう、ガミガミ言う先生もいないし、親もいないしさ!自由だぜ!7月22日、俺たちの...」 和哉は息をすぅーと吸い込み、深呼吸をした。 「インディペンデンス・デイ(独立記念日)だ!」 腰に手を当てて、自慢気に言う和哉をぽかんと口を開けて、僕と桔平と涼果は凝視した。 「インディペンデンス・デイ? アンタ、バカ!?」 涼果は起き上がると、和哉の頭を叩いた。 痛い痛いと叫びながら、走り回る和哉を涼果は追いかけ回すと、それを見て、いつの間にか瑠衣は笑顔になっていた。
/216ページ

最初のコメントを投稿しよう!

16人が本棚に入れています
本棚に追加