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そして、それらのコマは次々と世界中の色々な場所を映し出した。
しかし、そこには人間の姿が一切映っていない。
二十分ほど、ほとんど言葉を出すこと無く、僕たち六人は画面を見続けた。
どこか、世界のどこかに僕ったいと同じような状況になっている人がいる、もしくは、何も変わらない日常を過ごしていることを信じて。
数百、数千程の場所が映しだされた。
和哉はもう画面を見ずに、ロビーの椅子で「暑い」と言いながら、着ていたTシャツをパタパタと扇いでいた。
他の五人も半ば、諦めかけで見つめ続けていた。
「くそ、やはり誰もいないのか、この地球上には」
桔平からは珍しく焦りのようなものを感じた。
涼果や瑠衣もこの単純作業に飽きたのか、視線がノートパソコン以外への移り始めていた。
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