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すると、お店の中で涼果が騒ぎ出す。
「わぁああああ、最悪!私のケータイ、壊れたみたい!電波が入らない?」
「いやいや、別にいいじゃないか。もう誰とも連絡取れないだろ!」
和哉が冷静なツッコミを涼果に言った。
「え?、けど、昔アップしてた写真とかも見れないじゃ?ん」
あなたはどこまで携帯依存症なんだと思っていると、桔平も携帯電話を取り出し、辺りを見回していた。
「どうしたの、桔平君?」
茜がその動きに気付き、桔平を見ながら言った。
「いや、俺の携帯も電波が入っていない。しかし、以前はここで携帯を触っていたこともあったから、ここに電波が届かないなんてことは...」
「あ、私も!」
瑠衣も携帯電話を取り出して、言った。
「しかも、電気、エアコンも点いていない。春花、エアコンは点くか?」
桔平は、裏にいる僕に呼びかけるように言った。
「点かないよ」
僕は、裏側から顔を出して言った。
みんなの携帯が電波を拾っていない。
いや、電波が出ていないんだ。
そして、電灯もエアコンも故障したのではない。
電気が来ていないんだ。
僕は、みんなのいるアイスボックスの前に行くと、ふにゃふにゃになっているアイスを手に取った。
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