ぶっつけわんらい企画(10/21)

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   いつもきりっとした岳さんの眉尻が、へにゃんと下がった。  かと思うと、「はー」と深く溜め息をつき、胸元に額をぐいぐい押しつけてくる。 「あのさぁ、華緒梨」 「う、うん」  どうしていいのかわからないので、目の前のふわふわしたくせ毛をそっと撫でた。 「それは、俺のセリフだよ」 「え?」  岳さんはあたしの肩までひざかけを引くと、のろりと顔を上げ瞳を覗き込んでくる。 「華緒梨は、俺をどうしたい?  ……どうしたら、いい」  すっぽり抱きすくめられ、目の前にあるのは色素の薄い岳さんの熱っぽい瞳。  あたしのど真ん中をとらえて離さないそれに囚われて、できることなんて──。  ……目を閉じて全部預けることしか、ないじゃない? .
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