第一章 「コーヒーソーダな出会い」

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そのサイトは、実際使ってみると、日本のアート投稿サイトと大して変わらなかった。自分のアートのデータをサイト上に投稿したり、他のアーティストのアートを閲覧できたり等、無料で利用できるコンテンツ。そして、広告を非表示にしたり、閲覧したいアートの閲覧を検索しやすくしたり、閲覧した他のアーティストのアートを印刷できたりする等の、有料でできるコンテンツがある。 初心者の明日香は、まずその無料コンテンツから覚え、そこの必要な英語表記から覚えれば良いのだ。 ファミレスで苦めのコーヒーを飲んでから三日目の夜、明日は日曜日なので、明日香はベッドの中で少し夜更かししながら、今日もそのアートサイトとにらめっこしていた。下の部屋の、母親の観るサスペンスドラマの音も、もう聴こえてこない。それでも、外からの車の通過する音や人の声、犬の鳴き声などが聞こえれば、寂しさはさほど感じない。 そして、まだ7割もシステムが理解できていないこのアート投稿サイトで、四苦八苦して何とか彼女が作ったアカウントに試しで投稿した絵へ、時間を置かず一通のメッセージを送った、「Philip Hopkins」と名乗る者が、インターネットの網の先のパソコンの向こう側に居るからだ。
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