第一章 「コーヒーソーダな出会い」

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" Amazing. You are talented. " 「……え!?」 明日香は肩まで布団に潜り混んでいる状態で、両手で握るスマートフォンを見つめながら緊張で体が固まった。いきなり、苦手な英語が明日香に飛び込んできた。 「え、えっと……、アメイジング……って、『アメイジング・グレイス』のアメイジング?」 明日香は、急いでスマートフォンの英和辞典を開いて、単語を入力した。現れた和訳をそっと口ずさむ。 「『驚くほどの』……。」 では、" talented " は何か。すぐさま単語を入力したら「才能のある」と書かれていた。 「タレント!? 才能のある!? ないよ、私!」 それに、タレントって、テレビに出てくる有名人の事じゃ……? よくある「英単語が日本に上陸して意味が変形したカタカナ語」なのであろうか? 明日香は" Philip Hopkins "からのメッセージに暫く目が点になったが、我に返って、「返事!」とまたスマートフォンの辞典を引こうとした。 しかし、どんな返事を書けば良いのだろうか。指の動きが止まる。
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