第一章 「コーヒーソーダな出会い」

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高校の英語の教科書の短い英文すら苦手だった彼女に、ネイティブの外国人に英語で返事を書くなどハードルが高すぎる。彼女は、両手で掴むスマートフォンを前に、目を強くつむって英語の返事をもんもんと考えた。 うん……、駄目だ。今はこれしか書けない。明日香は手に汗をにじませながら、一文字ずつ確実に文字を打っていった。そして、ビックリマークで最後を締める。 目をつむって、深く深呼吸をした。指がおそるおそるスマートフォンのパネルの表面を動く。放課後に、ファミレスでベスに教えてもらった" submit (提出する) " のアイコンをそっとクリックする。 " Thank you! " ……送ったー!!!
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