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ピコン!
と、スマートフォンが軽快な音を発した。「え?」と画面を見ると、かの人物がすぐに明日香に返事を書いてきた。
You are welcome.
Philip Hopkins
「なんだこれは!?」
意味の解らない英語の再来である。
明日香は再び英単語を調べた。
『意味 : どういたしまして。』
「えっ! ……あっ、ありがとう……!」
明日香は、思いもよらないPhilipの返信に、慌ててお礼を画面に向かって呟いた。
初めての不思議な事ばかりの、夢のような体験。スマートフォンを待ち受け画面に戻して、布団を頭までかぶる。
( 心臓がバクバクしてる……! ……でも、面白かった! )
そう明日香は、抑えられない興奮と笑顔の為に、寝付けない夜を迎えた。
彼女が布団に潜り込んだその瞬間、短時間でも彼女との会話を大変楽しんだその男は、微かな鼻歌を短く歌ってタキシードの上着を軽やかに羽織り、ディナーパーティーへ送迎する車の運転士へコールする為に、名残惜しくもノートパソコンを閉じた。
それは、想像以上の緊張と楽しさ、そして、これから始まる未知の冒険への足音。これらをこの日のファミリーレストランのメニューに例えるなら、緊張をコーヒー、楽しさと冒険はソーダ、さながら「コーヒーソーダ」だと思案する。
第一章 「コーヒーソーダな出会い」 完。
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