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スーツに身を包んだ結城は、神妙な面持ちで入社式に参加した。
壇上ではある意味会社の顔になっている諏訪(スワ)常務が話していた。
「かっこいいよね」
前の席にいた女子2人がひそひそ話す。
確かに見た目はかっこいい。女子の目を惹くのは当然だ。
「ちゃんと顔を見ておかないといけないね。同じ会社でも仕事は一緒にできないから」
「生で見ることができるの今日ぐらいかも」
大卒で入社した諏訪は、優秀さを買われ若くして常務に抜擢された。
生まれつきのエリートは特別なものを持っている。
その点は理解できても結城には関係ない。羨ましがってもしかたない。
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