誰かの足音

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「お前らだって。Sだよ。絶対」 「諏訪常務に冷たくされたい。萌える」 「わかる」 「結城はどうなんだ?」 「ちょっと苦手かな」 「そんな感じだったよ。ま、そのうち慣れるって」 「合宿に参加するって言ったけど、スーツ以外想像できない」 「そうだな。ジャージとか着るのかな」 「運動する必要ないし、かっこつけた服、着てくるんじゃね?」 「会社以外の姿を見るの楽しみだ」 「そうだろ?結城」 プライベートで赤いジャージを着ていた。家では眼鏡をかけていなかった。ささいな会話でムキになり、結城を縛りつけようとした。 「そうだね」 「どんな姿が見たい?」 「スーツ姿がかっこいいから、俺はそれが1番常務らしいと思う」 「へぇー」 「…な、何?変なこと言った?」 「プライベートは見たくないか?」 「プライベート?そんなの見れるわけないよ」 「そりゃそうだ。見せてくれるわけがない」
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