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彼女にフラれた翌日、男の結城に『彼氏』ができた。『彼氏』はイケメンでエリート。会社の顔だ。
激しいキスをした後から、結城は公私の区別をつけることができず、社内で『彼氏』に会うことを恐れた。
同期の伊吹(イブキ)龍太郎は、時間ギリギリで会議室に入った結城を見た。
伊吹は入社式の時から結城のことが気になっていた。何度か話しかけようとしたが、近づく伊吹を結城は避けた。
「龍太郎くん。どうしたの?」
伊吹は女子が話しかけられた。
「別に」
昨日結城は諏訪を交え、富永たちと一緒に話をしていた。伊吹は仲間に加わらず遠くから様子を見ていたが、他の男子と違い結城は乙女のような顔で諏訪を意識していた。
「お弁当作ってきた。お昼一緒に食べよう」
「ありがとう」
「えー。龍太郎くん。結城くん見てる?」
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