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全灯
先代
「各々、一通りの意見は出た感じかな?」
一同、先代に注目
先代
「では一つ、僕からもひとつ、
意見を述べさせていただく。
意見が分かれてしまうであれば、どうだろう。
生徒会に一任しては?」
一同、驚きの表情。
秋空
「どういうつもりですか?」
先代
「この学校に一番貢献している組織は?
言うまでもなく、生徒会だ。違うかい?」
秋空
「そうでなければなりませんし、
そう自負しております」
先代
「であれば生徒会には、
寄付金をもらう権利がある」
秋空
「あります。ですが」
吹奏楽「質問です」
と、手を上げる。
秋空
「どうぞ」
吹奏楽
「生徒会はこの寄付金を
どのようにお使いになるつもりですか?」
秋空
「学校の修繕費だ。全教室にエアコンを設置する。
生徒個人で使えるロッカーを設置する。
駐輪場を拡張して、バスを増発させる。
勿論、一気にやるには額が足りないが、
そのうちの何かを変えるには十分な金額だ」
送球部
「エアコンか」
避球部
「ロッカーがあれば、マイボールを入れておける」
吹奏楽
「バスがあれば、その分、睡眠時間が削れるわ」
将棋部
「駐輪場にスペースがあれば、そこで真剣が」
秋空
「不許可だ」
将棋部
「すいません」
先代、秋空に視線。
秋空、頷く
秋空
「それは、ここで決をとりたいと思う。
寄付金を託すのに相応しいと思う者に、
一人一度、手を挙げてくれ」
秋空
「送球部」
「避球部」
「吹奏楽」
「茶道部」
「将棋部」
「図書部」
誰ひとりとして、手を上げない。
秋空、静かに息を付き、息を吐く
秋空
「秋空素晴」
一同、手を上げる。
秋空
「では特別予算は、
秋空素晴に渡されることに、決定した」
秋空、議決の槌を振り下ろす。
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