プロローグ

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奇怪。明らかに並外れていて、予想外であること。 先輩は人を、そう説明した。 「人という動物は、賢くなりすぎた。  それはもう動物という範疇を超えた。  奇怪。  そういうに相応しい。  それは、ついさっきまで、  まさにここで繰り広げられた寸劇を見ても明らかだ。  だから、十日。  十月十日(かんなづき とおか)。  人はもう奇怪という以外に、言いようがない」 いつもの私なら反論のひとつも上げるところであった。 だがそれは、今の私にはできなかった。 先輩は寸劇といったそれは、確かに奇怪であった。 目的は同じはずなのに、 その過程はてんでバラバラで、 それでもまとまりがついてしまった。 その奇怪さを、私はもう一度思い出す。 それは2時間前。 先輩はまだ、いつものように凛としていたし、 少なからず張り詰めていた。 生徒会の威信をかけた重大な会議に望む為、 授業すら抜けて、生徒会室に入るところから始まる。 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
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