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「つ、ついでに……!今日の放課後3-Aの教室で美化の委員会があるからね……っ、これ、プリントだからっ!」
はいっ!!
と、勢いのままシューイチにプリントを渡す。
「あのさ、亜樹―…」
「じゃ……次、音楽だからっ……」
シューイチが何か言いかけたけど、それを無視して裏庭を後にした。
〝好き”
と気持ちを伝えるまでの勢いはあった。
けど、
〝ごめん”
って返事を聞く勇気まではなかった。
だって、それは、
今までの関係を解消してしまう、決定的な言葉。
「……いくじなし」
涙で滲んだ景色の向こうに、花壇に植わった沢山の秋桜が揺れてた。
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