第1章

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 カノンはフードで顔が見えないようにしているが、本当はきらめくばかりの美少年なので真っ先に口説かれると予想される。  なのにそうならないのは“幼馴染み”フィルターのおかげだ。  そしてそもそも、勇者本人が自分で言っていたのだから、間違いないだろう。  はあとカノンは溜息をつく。  いかんせんこの勇者は弱過ぎる。  というか、美少年やら美少女やら美熟女やら美しき紳士やらを口説く前に剣の練習をしろと。  あの時は、もっと強い勇者だと感じたのに。  とんだ見込み違いだ。  はあと再び溜息をついて、宿の扉を開ける。部屋には勇者の仲間がいるはずだ。
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