776人が本棚に入れています
本棚に追加
呻くように頭から血を流し睨みつける勇者。
すでに他の二人の仲間は、瀕死の重症だった。
そんな絶体絶命の勇者を、魔王カノンカースは不敵に見下ろした。
魔物の瞳である金の瞳に宿る冷酷さと傲慢さが見て取れる。死神とも言えそうな黒い衣装に、銀色の長い髪。
恐ろしく整った美しい容姿が、更にかの魔王の恐怖を引き立てていた。
「何だ、お前はこの程度か?」
「まだ……俺はまだやれる!」
勇者はふらつきながらも立とうとして、膝をつく。既に勇者も限界だった。
その様子に魔王は嘲笑う。
最初のコメントを投稿しよう!