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そう悲しげにカノンにレオンは言うと、カノンはうっと呻いて黙ってしまう。
別に知らないでされるのが嫌だっただけで、相手がレオンだったなら……。
だが、そんな様子のカノンに、もうすでにそういう関係になったと誤解したトリューカースの怒りが爆発する。
「ふ、ふざけるな! 猫かと思ったらネズミだったなんて……僕のカノンを傷物にしおって、しかも受けだと! そもそも歴代魔王は基本的に攻めばっかりなのに!」
それを聞いた瞬間、レオンは今まで魔王と勇者が何で上手く行かなかったのか分った気がした。
だが、それを聞いていたトリューカースの恋人の元勇者レイルが、ぽんぽんとトリューカースの肩を叩いた。
「……攻めだったってどういう事かな、トリューカース」
「えっと、レイル?」
「少し話をしようか、トリューカース」
「ええっと、今はそのカノンに……」
「カノンとレオンは、今ベットから逃げて行ったけれど」
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