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「昔、実践経験のためにとあるパーティにいたのです。その時に、カノン君がいて……何度も助けられて。当時鼻持ちならない子供だった僕は、自分がまだ弱いことに気づいたのです。そしてその時からずっと好きでした」
あの後彼が魔王だとこっそり仲間の人が教えてくれて、それでも忘れられなくて、努力して強くなった。
勇者に選ばれた時はとても嬉しかった。
これであの人の傍にいられると思ったから。なのに、
「……僕が強くなる原動力だったのに、彼はレオン様のものに」
ホーリィロウは今まで何でも手に入れてきた。
それは、ホーリィロウにとっては簡単な事で。
けれど一番欲しかったものは、何も手に入れる事の出来なかったレオンに渡ってしまった。
そんなホーリィロウを不安そうに彼の仲間とイオ達が見守る。
挫折をあまり知らないだけで、ホーリィロウは今まで順調に来たわけではない。
そう、ホーリィロウはまだ諦めていなかった。
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