第1章

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 感慨深そうにイオが頷く。  カノンはなんだか昨日の出来事全てを知られているような気がして、あっと気づいた。 「ルカ! ええっと、女装しているのはとりあえず置いておいて、まさか……」 「あの……えっと……」  カノンがルカに詰め寄ろうとするので、そこでカノンをレオンは後ろから抱きしめた。 「レ、レオン?」 「カノン、先に謝っておく。ごめん」 「レオン?」  いつもと違う真剣な表情に、カノンが不安を覚えるも、次に言われたその言葉にカノンは衝撃を受けた。 「……実は、カノンの記憶操作の魔法って全然効かないんだ」  一瞬カノンは何を言われたのか分らなかった。  そして意味を理解して、引きつった笑みを浮かべる。
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