第1章

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「まさか……だって、ルカ?」 「お祖父様、実はあの魔法、記憶操作出来ないか、出来てもせいぜい2、3日で解けてしまうのです」 「ル、ルカ……冗談きついよ」 「……本当の事なのです」  そこでカノンが沈黙した。そして恐る恐るといったように、 「……まさか今までかかったふりをしていたの? 皆」 「ええ、そうです」 「それでも、優しかったの?」 「……そうです」  そうルカに言われた瞬間、カノンは顔を真っ赤にして、傍にあったベットに飛び込み毛布に包まる。  そのまま体を丸くして、カノンはカタカタと震える。 「死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい」  プルプルと震えだすカノン。けれど暫く震えて、ふと思い出したように、
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